« 猫の盛りには代えれない | トップページ | 振られ気分でロックンロール »

2004.05.15

青い目の人形

 囲碁教室が終わってから、先月歩いたコースをまた散歩する事にした。夜から高田馬場で飲み会があるので、それまでの暇つぶしである。

 まずは靖国神社へ。
 靖国通りに面した門からはいり、心洗亭の横を通って神池の前へ。池の中には、上越新幹線完成の記念に奉納された錦鯉が泳いでいる。
 そして池から目線をあげると、我が母校法政大学がある。唐突な高層ビルだなぁ。しかも、二枚の(あえて枚と言おう)薄いビルが並んで立っていて、上層部の階でそれをつなぐようなフロアがある。なんだか、ロボットに変形して怪獣と戦いそうな雰囲気だ。

 猛烈にシッコがしたくなったので、トイレへ。その後、ビルマ戦線の遺品展示を見てから無料休憩所に入る。中にはテーブルと自動販売機コーナー、それに無料提供の給湯室がある。お茶でよければ、飲み放題らしい。ただし、後片付も含めて全てセルフサービスの様だ。
 自販機は缶ジュース、紙コップの両方が用意され、その隣にはカップラーメンの自販機もある。
 おそらく法政の学生らしき数名が、ここで時間を潰しているらしい。大学生を見るたびに、自分が無為に過ごしたあの日々を思い出して胸が痛くなる。人生にたらればはない、というけれど、もし人生をやり直せるのならあの頃からもう一度やり直したいと思う。

 そして遊就館へ。本物のゼロ戦がお出迎えしてくれる。
 塗装が新しくなっているせいか、最初はハリボテかと思った。展示品の前(後ろだったが)にあった説明資料によれば、海外で見つけたボロボロの機体を分解して修理し、組み上げ直したものだそうだ。ニフティの模型フォーラムの連中に任せれば、もっと本物らしく塗ってくれるだろうに。
 遊就館は一階玄関ホールだけが無料で、本格的に見るには八百円の拝観料を払う必要がある。今回はパスしたが、次回は入って見ようと思っている。

 遊就館を出て、拝殿で手を合わせる。一応、二礼二拍手一礼を。お賽銭が十円てのは情けないが、見逃してください>神様。

 神門をぬけて第二鳥居をくぐり、駐車場へ。ここの休憩所と売店をのぞくと、観光地に来たという気分になれる。旅行に行きたいけど諸般の事情で無理、でもせめて気分だけでも、という時にはココに来ればいい。
 休憩所のメニューが観光地気分をいっそう引き立たせる。今度はここで食事でもしてみよう。

 そして本日の本命、昭和館へ。午後二時過ぎに入館して五時半まで、びっしり見た。
 ここの入場料が三百円というのは、絶対安い。各ブースにある映像資料がそれぞれ十分程度、それに加えて無料の音声案内端末を貸してくれて、これがやっぱり各ブース毎に十分弱の説明が入っている。
 一階で入場料を払い、七階へ。そこと六階とが有料フロアなのだが、七階の展示を見るだけで四時を過ぎていた。二時半前に入場したわけだから、一時間半かかっているというわけだ。
 六階の後半は賭け足で見るのが精一杯。これに五階の無料フロアがあるんだから、博物館としては太っ腹なんじゃないだろうか。

 フロアの各所に展示物と同時代の雑誌が置いてあって、手にとって読むことが出来る。第二次大戦当時の雑誌にあったコラムの内容がおかしかった。
「最近の若い女性は、電車の中でハリウッドの役者の誰それと誰それが結婚しただの別れただのと声高に喋っていて、実にけしからん。先日など、空襲警報が解除されたら空を見上げて、あの飛行機には役者の誰それに似たハンサムさんが乗っていたのかしら、などと言っている。言語道断である」
 とまぁ、いつの時代にもどんな状況でも、ミーハーもいれば愚痴親父もいるんだという事が良く判った。

|

« 猫の盛りには代えれない | トップページ | 振られ気分でロックンロール »