元祖モバイラー?
さすがに四十ともなれば物欲からは遠ざかったと思い込んでいた昨今だが、いやいやどうして。先日から急に「どうしても欲しい!」と思うものが久々に現れた。
それがソニーのクリエ用ミニキーボード、PEGA-KB20である。
もともと移動中の書き物に関してはHP-200LXを使っているのだが、職場の友人が「クリエのUX50が値下がりしたそうですよ」と私にささやきかける。クリエならSJ33を持っているから、と思うのだが、やっぱりキーボード付きはうらやましい。
こうなるともう、すっかり大人しくなっていたはずの眠れる獅子である「物欲魂」が、目を覚まして周囲をうかがい始めてしまう。
で、あれこれと調べてみた。
どうやらUX50はHP-200LXの様なスタイルのほかに、普通のPalmデバイスと同じような画面を表に出したターンスタイルでも使えるらしい。ただしターンスタイルの状態で画面が縦長モードになるかというと、そういった機能は付いてないそうだ。それでは画面が窮屈ではないだろうか。特に私がクリエを使う用途の一つとして重視している囲碁の棋譜採取の時に、画面がせせこましいと不便である。
ならばいっそ、SJ33にキーボードをつけたほうが幸せになれるのではないだろうか。しかもこっちなら五千円程度である。UX50が三万五千円ぐらいだとして、七分の一の値段である。
というわけで、SJ33で使えるミニキーボードであるPEGA-KB20を探す旅が始まったのだった。
自分で言うのもアレだが、割と買物運の悪いタイプである。自分が欲しいものはどこに行っても売り切れ、なんて事は、しょっちゅうである。酷いときは売り切れどころか生産停止になってたりして、そうなるともう絶対に手に入らないという絶望感から身悶えしたくなるほどだ。最近で言えば、シグマリオン3やダイコンフィルム版帰ってきたウルトラマンのDVDがこれにあたる。
まずは昨日、仕事が終ってから有楽町のビックカメラを覗いてみた。サードパーティー製品の折り畳み式はあるが、ソニー純正品は置いてなかった。次に駅の反対側にあるソフマップに向かったが、ここにもない。こちらではソニー純正のキーボードは扱ってはいるものの、新型の折り畳み式のみであった。実を言うとここで初めて、純正キーボードが二種類あることを知った。
その後、新橋のキムラヤにも足を運んだが、ここはクリエのアクセサリーそのものが非常に少なかった。
こうして買物戦線初日は、三戦全敗となったのだった。
そして今日は、新宿のビックP館からスタート。ここでは店員さんが実に丁寧に対応してくれて、ショーケースの中も徹底して探してくれたのだが、在庫はゼロ。ある程度の覚悟はしていたものの、以前にここで現物を見かけた記憶があるだけに、失望も大きかった。ま、ないものは仕方がない。
次に、ヨドバシカメラの西口本店へ向かう。だがここもまた、クリエの扱そのものが縮小しているようで、アクセサリーもほんのわずかしか置いてない。当然、狙いのブツは置いてなかった。
そこから続けてソフマップに入る。マニアックな品揃えを期待したのだが、やっぱり無理。
やむを得ず、この段階で秋葉原行きを決意する。どうやら長い旅になりそうである。
とりあえず新宿を出る前に最後のチャンスという事で、ヨドバシカメラ西口大ガード店を覗いてみた。クリエは二階だというので上がって見ると、知ってる人はご存知の狭い店内にほんのわずかのクリエが展示されている。ところが何と、アクセサリは三階だと言われる。たらいまわしとはまた、凝った作戦で攻めてくるものだ。言われるまま三階にあがり、クリエのアクセサリーの定番色である、ライトグリーンのパッケージを探す。レジカウンター脇のショーケースに、十数個のパッケージを見つける事ができた。その中には、今回の旅では初めて目にした、ゲーム専用キーパッドもあった。だが、ミニキーボードの姿は見当たらない。
それでも 諦めきれずに、積み上げられて中身の見えないパッケージを一つ一つチェックしてゆく。と、一つだけKB20と書かれた箱があるではないか!
早速ケースから出してもらい、中身を確かめる。間違いない。この二日間、ずっと探し回っていたものだ。
こうして今回の旅は珍しいことに、たったの二日で終了したのだった。
考えてみればこのヨドバシカメラ西口大ガード店は以前にも、同じような経緯でホリのゼロテック2を発見した実績のある店だった。この店はなぜか知らないが、私の欲しいものがたった一つだけ置いてある、という不思議な店なのである。

さっそくキーボードのドライバをクリエにインストールし、月島から光が丘まで大江戸線に乗っている間、このキーボードで文章を打ち続けてみた。普通のキーボードと違ってキーの縦方向が直列なためか打ち間違えも多くなるが、それでもソフトウェアキーボードで入力する場合やGraffitiよりはずっと早いし、入力しやすい。
ちなみに月島から光が丘までの約50分間で、2,463バイトを入力した。日本語に換算して約1,200文字というところか。原稿用紙にしておよそ三枚。デスクトップPCの環境で一時間に原稿用紙四枚程度のペースで入力しているから、まぁ良いペースと言えるだろう。

ただ改めて考えてみると、やっぱり移動中の文章入力に関してはHP-200LXが最強、という事になりそうな気がする。
五千円も投資した挙句に判明したことが「ずっと持ってたものが最強」というのは、なんだか負けたような気がしてイヤなのだが……。
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