実家の新兵器
藤沢の実家に帰省(と言うのも大げさだが)してみると、何やら去年のうちに色々と買い込んだようだ。
液晶テレビがリビングと和室に一台ずつ。DVDとVHSビデオの複合機もそれぞれ一台ずつで、和室に置いてある方はDVD-R/RAMも使える録画機能付きだった。
ところがこのDVDでデジタルBSの録画がうまくいかないと親にグチられ、正月早々プライベートサポセンをやらされるハメになったのだった。何でも、これらを購入した電気屋さんを呼びつけて調整の依頼もしたのだがダメだったそうだ。
マニュアルを引っ張りだし、あれこれと格闘すること約一時間。ようやく、外部入力のBSチューナーから録画が出来るようにした。
新兵器はこれだけにとどまらない。5メガピクセルのサイバーショットに、キヤノンのデジカメプリンターまで買ってある。
爺馬鹿モード全開で孫を撮影したは良いが、どうもプリンターの調子がよろしくない。正体不明の帯状の模様が横一直線に横断している。当然(?)これもサポートする事になる。
これもやはりマニュアルと格闘し、どうにか原因をつきとめる。
プリントするときに用紙の裏表を逆にしてしまうと、乾ききっていないインクが紙送りローラーについてしまい、その後に印刷する用紙を汚してしまうらしい。対処方法は、クリーニング用紙を通過させてローラーについたインクを取り去る、であった。
二件ともマニュアルベースでサポート完了となった。正直、民生機を作ったりサポートをしている人たちには頭が下がる思いだ。うちの業界じゃ、マニュアルベースでのトラブルシュートは相当困難だから。
さて、実家の新兵器はこれで終わりではなかった。最終兵器はなんと、トイレで待ちかまえていたのだった。
トイレにはいると、閉じていた便器の蓋が自動で開く。その様には思わず桂三枝の声で「いらっしゃ~い」とアテレコをしたくなるほどである。
そんな便器に誘われて腰をかけると、正面の壁に操作パネルがある。尻を洗うボタンはもちろん、それ以外にも蓋の開閉、水洗の大用小用それぞれ、尻洗いノズルの噴射方向微調整、乾燥といったボタンがずらっと並んでいる。
仕事柄、この操作パネルに仕込むROMのデバッグに思いを馳せる。実機による最終デバッグはやはり、便器に座って行ったのだろうか。当然、ズボンは脱いで……。
あと、これのプライベートサポセンは勘弁して欲しいと思った。
親の話によればこの便器、何もせずに出ていっても便器が勝手に水洗、蓋閉めまでやってくれるらしい。そのおかげで最近は、よそのトイレで用を足したときに流し忘れるという、変な癖がついてしまったそうだ。
こうなると、便利になりすぎるのも考えものである。
そして、便利という言葉に据え付けられた便という文字は、実に意味が深いと思わざるを得ない。
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