Ms igLoo を上映しているシアターB-oneは、松戸駅前のバンダイミュージアム地下一階にある。実は昨日、劇場に入る前と映画を見終わってから、同行した友人の案内で、このバンダイミュージアムの中を散策したのだった。
まずは有料のガンダムミュージアムに入る。ここは、ほぼ設定通りの大きさのガンダム(上半身のみ)がある事で有名だが、それ以外にも面白い物が見られる。
たとえばジオンや連邦のスパイが入手したという、敵のモビルスーツ開発中の映像、なんてものがある。それっぽく見せる為に画像はちょっとだけノイズが乗せてあったりして、なかなか凝っている。一緒に行った友人は画面に雨が走っているのを見て「宇宙世紀にもなってフィルムで撮影してたのか?」と突っ込みを入れていた。
これらの映像は、Ms igLoo にも登場する。劇中に登場する画面も雨が降っていたから、やはりフィルムで撮影したのだろう、きっと。
この映像の中で最もお勧めなのが「反復横飛びをするガンダムBパーツ」である。
まだ外装を取り付け終えていないBパーツが軽快に反復横飛びをするその様は、薄暗い画面と相まってホラーテイスト満載である。
そんな画像を見ながら見おろす実物大Aパーツは、法律上は「建築物」なのだそうだ。その大きさから、建築基準法に則って作らなければいけないハメになったらしい。
だから今後は、くれぐれもアレを「ガンダムの模型」と呼ばないようにご注意頂きたい。
さて蘊蓄(ウンチク)物フロアを抜けると、そこはモデラーの天国である。あんなジオラマやこんなジオラマが、大人になってプラモデルぐらいは自由に買えてしまうようになった連中を、ほれほれどーだと出迎えてくれる。
そんな中で、ヨーロッパの古い建物に突っ込んで倒れているザク、というジオラマを目にした友人が、しみじみと言った。
「みんなジオンが好きなんだなぁ。負けてるジオンが」
そうなの?
こうして物欲のツボに針を打たれたような状態で向かう先は、満代屋である。そこはまるで、カラカラに喉が渇いた物欲というイドの怪物に塩水を与えるような、極楽地獄と呼ぶべき場所であった。
満代屋のフロアに足を踏み入れるとまず出迎えてくれるのが、子供の頃に欲しくて欲しくてしかたなかったオモチャ達である。超合金、ジャンボマシンダー、変身ベルト、etc……。
そういえば子供の頃、近所に住んでたアンザイ君の家にはこれのほとんどがあったよな~、あそこは金持ちだって親が言ってたっけな~、と正気を失いつつ歩いていくと、いよいよ極楽地獄の中枢である。
そこにたどり着いたとき、心の中で「買えよ、国民!」というギレンの声が聞こえてきた(嘘)。
ここで売っている物を挙げていったらキリがない。現行の戦隊物アイテムやライダーのグッズ、プリキュア物、子供用パジャマ、etc……。
そして大きなお友達のハートを鷲掴みする、超合金魂!
記憶の片隅では確か15,000円近くしたものが7,000円で売ってる、安い!
……と、催眠商法に引っかかって鍋や布団を買ってしまった人と同じ様な状態になりかけていた。良く考えれば、鉛のオモチャに7,000円も出せるほど稼いじゃいないのである。
これらの誘惑に打ち勝つことが出来たのは、その後で飲み会に参加する事が決まっていたから、という理由があったからである。せっかく買った物を、酔った勢いで電車の中に忘れてしまっては、泣いても泣ききれない。そう考えて心の手綱を引き絞ったのであった。
もしその後の予定が入ってなかったら、果たしてどうなっていたことやら。
そんな物欲ストームにさらされてヘトヘトになった心と身体を休めようと、中にあるレストラン、ガンダムカフェに入った。ここは先に書いた実物大Aパーツを眺めながら食事が出来るという、絶好のデートスポット(違)である。
メニューの名前もガンダムテイスト満載で、友人はその中からモノアイというカクテル(?)を注文していた。

真ん中にあるのは、杏か何かのシャーベットだそうである。これがまた、全然溶けない。シャーベットと言うより、氷玉である。長居をしたい方にはお勧めと言える。
この氷玉をかじろうと友人が苦労していたのを見て、店員さんが皿とフォークを持ってきてくれた。きっと以前に同じメニューを頼んだ客が、このモノアイをかじろうとして床にころげ落とした事があるのに違いない。
そんなこんなで MS igLoo 上映の前後、この「オヤジの楽園」を堪能したのだった。
実際は二度に分けて行った散策をまとめて書いているのと記憶に頼って書いているためとで、フロアのつながりなどがむちゃくちゃな記述になっていると思うが、なにとぞご容赦いただきたい。こちらのページにフロアの案内図があるので、正確な情報はこちらでチェックされたい。
何にせよ、バンダイミュージアムとガンダムミュージアム、ガンダム好きのガンダマーならとにかく行くべし。