« WordSeeker導入 | トップページ | ユナイテッドのトイレ »

2005.01.26

カンフー・ハッスル

 先日テレビで小林サッカーを見て以来、「カンフーハッスル」が気になっていた。
 幸い、ユナイテッドシネマとしまえんでレイトショーがある。これは見るしかない、という事で、適当なところで仕事を切り上げて豊島園に向かった。

 ここから先、ネタばれ注意報発令中。

 小林サッカーやTVスポットから「笑える映画」を期待していただけに、最初の十分ほどはその描写に戸惑いを感じた。
 足がブチ切られ血が飛び散り斧が突き刺さる。女子供も容赦なし。そんなシーンと、その所行の主である暴力団メンバーによる「斧を振りかざしてのダンスシーン」が交互に映し出される。踊りはコミカルなのだがカットインされる光景が残虐という、笑いどころなのか何なのか不明なシーンである。これは文化の違いからくるものなのだろうか。それともかつてはビートたけしの不謹慎ギャグに笑っていた自分が年をとり、こういった描写で笑いをとる事に眉をひそめるような「大人」になってしまったという事なのだろうか。

 そんな風に戸惑ったのも最初だけで、その先の主な舞台となる豚小屋アパートのシーンになってからは、まさに「ありえねー!」の連続である。
 あちこちに過去の映画のパロディが組み込まれているが、小林サッカーもまたネタになっている。サッカーボールは踏みつぶされ、ブルース・リーの「かかってきなさい」ポーズが炸裂する。

 今時の映画で特撮がどうの合成がどうのCGがどうのと言っても仕方がないだろう。要はどんな絵を描いたか、が問題で、その点に関しては小林サッカーの方がある意味で有利だと思う。格闘技の技法でサッカーをやるという、設定そのものが「ありえねー!」な訳だから。
 それに対してカンフー・ハッスルは、格闘のお話で格闘を描く訳だから、ありえなさを演出するには一層の工夫が必要となる。

 意地悪な見方をすれば「全部日本のマンガで見た事あるよ」という事になってしまうのだが、では面白くないのかというとそんなことはなくて、どれもこれもまじめにバカをやっているその様がちゃんと笑える仕上がりになっている。
 「格闘シーンはマトリックスのパクり」と言えるかも知れないが、さすがにキアヌ・リーヴスがバカボン走りをするシーンはないだろう。スタンド使いが登場するが、そのスタンドを蹴散らすのは少年ジェットの技だったりする。
 この「マトリックスもバカボンもジョジョも少年ジェットも」という風にありとあらゆる要素を詰め込んだ状態でなおかつ作品世界に統一性がある、というところがこの映画の魅力かも知れない。

 アクション映画を支え続けた人たちの技に裏打ちされた「ありえない技」の応酬に圧倒され、あっと言う間に時間が過ぎていく。

 子供の頃のトラウマから悪を目指した主人公は、蛹を破るように正義の心と奥義に目覚める。その圧倒的な力を持ちながら、彼は「力」以外のものを目指す。

 ラストシーンにはツボをつかれた。あれを切り貼りなしでステディカムとタイミングだけで撮ったのだとしたら、さすがとしか言いようがない。特に子役にビバ! と言いたい。
 そしてその後に続いて出てくるジジィ、彼こそがこの物語の元凶なのであった。

 といった感じで、これは割と他人様にお勧めできる映画だと思う。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/31971/2854495

この記事へのトラックバック一覧です: カンフー・ハッスル: