お前等ちゃんとウンコしろよ!
職場のトイレは各フロアに個室4、小用5という配分で設置されている。
ちなみにフロアにどれだけの人間がいるかというと、六個ずつの机が向かい合わせになった12人一組のシマが11個。このうち機械しか置いてない席や女性の席を差し引いて、男性が100人。これがエレベーターホールを挟んで北側フロアと南側フロアの二つあるので、個室に関して言えば概算で200人分の尻を四つの便器でまかなっている、という事になる。
一人あたり平均して滞在時間が5分として、便器一つにつき一時間あたり12人、その四倍で48人。大ざっぱに50人として、フロアの全員が用を足すのに約四時間が必要という事になる。
つまりフロアの男性全員が一日二回の排便を行うとすると、それだけで個室トイレは一日中満室という事になるのだ。
これは便器にとってみれば、想像を絶する過酷な労働である。一日中そんなにもたくさんの尻を乗せて、よくぞヒビの一つも入らず頑張っているものだ。
しかもこの計算はあくまでも単純に均等割しただけのもので、現実にそぐわない部分がある。それは、「誰も同じような時間にウンコがしたくなるものだ」という要素を考慮していない事である。
たいてい、排便をしたくなるのは起きたときと食事の後である。朝、自宅での一発が不発に終わったので職場でリベンジ、というのは良くある事で、実際始業ベルが鳴った後のトイレはいつも満室状態である。
そしてお昼時。会社だから当然、みんな一斉に昼食をとる。ということはすなわち、200個の尻がほぼ同時に臨界点に達する、という事である。
そして事実、昼食後のトイレはいつも、無言のバトルが繰り広げられている。ジャストのタイミングで幸運を手に入れる者もいれば、運に見放され目の前で天国への扉が閉ざされる者もいる。
そんなバトルに勝利してウン良くシートにありつき、まずは第一波を済ませフウとため息をつくと、隣の個室から何か聞こえてくる。一定のリズムでプチプチと繰り返されるその音に、聞き覚えがある。
そう、携帯のキーを押す音である。
人が必死こいて括約筋に満身の力を込めてカタストロフを防いでるその最中に、なんと携帯メールを打ってる奴がいるのだ。こんな暴挙が、果たして許されるのだろうか。
そういえばトイレに入る度にいつも満室状態で、耳をすませばプチプチカタカタという音が聞こえてくる。
もはや会社のトイレは完全に、電話ボックスならぬ「メールボックス」となってしまったのだった。
そしたら俺はいったい、どこでウンコすれば良いんだ?
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