不定期連載・我がニフティ人生(1)
ニフティのパソコン通信サービスが、徐々に終了しつつある。なんだか寂しい。
ニフティサーブは一時期、自分の人生のかなり重要な部分を占めていただけに、複雑な気分である。たとえ最近はほとんど訪れなくなっても、である。勝手な言い分だが、人の気持ちってのはそんなもんだろう。
今から15年ぐらい前、冬のボーナスでモデムと通信ソフトを買ったのが私のネット生活の始まりだった。
モデムはオムロン製で2400bps、MNPクラス5の性能を持った、当時としては一番良いランクのモデルだった。まだ9600のアクセスポイントがない時代である。
通信ソフトはCCT98という、マクロ機能が強力と雑誌のレビューに載っていたものを選んだ。当時のパソコン通信は従量制課金がデフォルトで、今のような定額制のサービスはほとんどなかったと思う。なので通信費を極力安くあげるために、手作業でのアクセスではなくマクロによるオートパイロットでサッとつないでパッと切る、という方法が主流だったのだ。
そのマクロも、マニュアルと首っ引きでシコシコと自作したものである。当然マクロとは言えプログラミングだから、デバッグが必要になる。そのために何度もアクセスを繰り返し、結局は通信費がかさんでしまったなんて事もあった。
このマクロは後日、模型フォーラムのデータライブラリにアップしたのだが、今はどうなっているのだろうか。
さてその当時のメジャーなパソコン通信サービスと言えば、日経MIX、PC-VAN、ASCII-NETがトップ3だったかと記憶している。これはその有名度とユーザ数からの話である。ニフティはまだ、四位以下だった。
そのニフティをどうして自分が選んだのか、今となってはその理由が思い出せない。モデムか通信ソフトに、一時間分の無料クーポンでもついていたのかも知れない。
近場のアクセスポイントを探し、通信ソフトに電話番号とモデムコマンドを設定し、いざアクセスすると文字化けでログインできない。電話代がかさむのであわてて回線を切り、モデムのマニュアルとにらめっこしながら通信ソフトに入れたATコマンドの設定を見直す。
こんな事を繰り返しながらやっとまともに通信できるようになったときは、一人暮らしのアパートで誰にともなく「やった! ざまーみろ!」と叫んだものだった。
そして入会手続きをオンラインで済ませ(当時はその段取りにも感動した)、まずは初心者フォーラムに入会する。
ここで、通信費の節約などというお題目を吹き飛ばす「リアルタイム会議室」、通称RTというものにハマって行くのだが、その話についてはいずれまたの機会に。
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