2010.04.12

わが家の歴史

 この週末、フジテレビの50周年特別企画「わが家の歴史」というドラマを夢中で見ていた。
 日中戦争の頃から始まり私が生まれる昭和39年までの、八女家という架空の家庭の歴史を描いたものだ。
 脚本は三谷幸喜。そもそも三谷作品が割りと好きなのに加えて、私は太平洋戦争前後の話が大好きなので、まさにこの企画はツボ押されまくりであった。

 このドラマでは、実際に起きた事件がいくつも話の中に登場する。それらの事件を、昭和タイムズをめくって確認しながら見るのがまた楽しかった。
 見ているときは「三谷幸喜、この本を見ながら書いたんじゃないのか?」などとテレビに突っ込みを入れていたが、良く考えたらこれを見ていなくても大事件がどちらにも登場するのは当たり前のことである。これはいささか、突っ込みを入れるこちらの方が認識不足と言って良いだろう。

 それにしてもしみじみと、昭和は遠くなったと思う。もう平成が22年なのだから当たり前といえば当たり前なのだが、太平洋戦争が終わってから自分が生まれるまでの期間より、平成が始まってから今までの方が既に長いのだ、という事がピンと来ないのである。
 これは自分の新陳代謝が衰えて時間の経過が早く感じられるためなのか、それとも筒井康隆の短編のように本当に時間が加速しているからなのだろうか。ちょっとトンデモだが、自分としては本当に時間が加速しているように思えるのである。

 ところであのドラマを見ていたら、昭和館平和記念資料館に行きたくなってしまった。
 特に昭和館は今までに二度行っているが、いつも時間が足りなくて後半はバタバタとしてしまっていた。そのうちジックリと時間をかけて見学したいと思う。

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2006.10.18

ナルニア国物語

 この作品、最近すっかり愛用のGEOで、もう100円レンタルになっていた。まったく、時の流れとは早いものである。

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2006.10.17

ロボッツ

 以前は洋画を見るとき、必ずオリジナル音声&字幕モードで見ていた。
 洋画はオリジナル音声に限ると思っていたし、英語の勉強になるかと言う甘い考えもあったが、その方法で20年以上映画をみてきた結果がどうか、というのは語るまでもない。
 最近は根性がないので、字幕モードをやめて日本語音声で見る事にしている。晩酌のお供、という視聴方法からも、そのほうが気楽で良いし。
 こういうとき、その場の気分で視聴方法を選べるDVDはありがたい。

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2006.10.16

廃市

 さて、時かけ、転校生と来たら普通は当然さびしんぼうの出番なのだが、せっかく録画したものを消してしまった、というのは先日書いたとおり。いやはや、DVD-RAMとは便利ではあるが恐ろしい代物である事よ。

 そこで、これはある意味チャンスだったと思うことにし、さびしんぼうの代わりとして「廃市」を見た。実を言えば、これはこれで結構気に入ってる作品なのだった。
 一応、大林監督&小林聡美という組み合わせだから、転校生から続けて見るには無理がないはずである。

 この映画、もうずいぶん前に深夜テレビで見たのが初見。そのときからすっかり気に入ってしまい、スカパーで放送されたものを録画し、ずっと保存しておいたのだった。
 おそらく、特に派手な事件が起きるわけでない淡々とした内容が深夜のけだるい雰囲気とマッチして、すんなりと見ているこちらの気持ちの中に入り込んできたのだろう。

 話の内容はといえば、正体不明の「私」がその昔卒業論文を書くために逗留した田舎で体験したひと夏の出来事を語る、というもの。
 モノクロで始まりカラーに遷移する大林節は健在で、モノローグが大林監督本人というのはまあ、ご愛嬌。

 小林聡美の役柄は、主人公が逗留する屋敷の次女で、実質的にその屋敷を切り盛りしているという設定。
 で、この小林聡美、実におとなしい。作品世界の中では他の女性と比べるとお転婆なのだが、リアルレベルで言えばごく普通の女の子。というか、この作品世界の女性はみな極端に男性に対して従順過ぎるようだ。おそらく、それによって舞台となる地域の「時代遅れな感じ」を出そうとしているのだろう。

 小林聡美の姉の夫として登場する峰岸徹がまた、実によくもてる。妻が彼にベタ惚れなのに始まり、愛人、そして小林聡美もまた彼に夢中である。

 峰岸の愛人役で登場する女優は、さびしんぼうでPTA会長をやったり、転校生では和美の母親をやった人。こういったところにばかり目が行ってしまうのは、質の低いオタクになりつつある、という事だろうか。
 ・尾美としのりは今回、書生、というより雰囲気は下男といった役回りである。見てるとなんだか不憫な感じがする。考えてみたら彼、大林作品ではあまり良い目を見てない気がする。オカマっぽかったり、下男だったり、関谷だったり。

 この作品を初めてみた時は、小林聡美の演じた少女は原田知世の方がぴったりだと思っていた。しかしこうして改めて見直してみると、これは小林聡美でこそなのだ、と思うようになった。あの小林聡美が、やや抑え気味に演じているからこそ味が出ているのだ。

 で、この作品のどうでもよい主人公。ストーリー的には何も解決せず、小林聡美にまとわりついては、その合間に卒論書いてるだけ。でもって最後は、さっさと田舎から帰っていく。これほど、主人公がどうでもいい映画も珍しいのではないだろうか、と思ってみていたが、良く考えると実はこれでよいのだという事に気がついた。
 この映画の実質的な主人公は小林聡美であり、見ている側は語り手である主人公とシンクロすることで小林聡美と過ごす夏を疑似体験することになる。そのためには、この主人公はあまり癖のあるキャラであったり、バイタリティあふれる行動力があったりしては、邪魔になってしまうのだ。
 まさしく「何もせんほうがええ」という言葉がぴったりなのである。

 そして今回、初めてこれがATGの作品だという事に気づいたのだった。

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2006.10.15

転校生

 時かけを見たら尾道三部作の残りが見たくなってしまった、というのは前回書いた通り。
 そして尾道三部作といえば、転校生がマイベスト。もう何度見たことか。かつて新馬場の品川区立図書館で、館内貸し出しのLDを見たこともあった。あの時はそれだけで地方税の元を取った気分になったものだ。

 というわけで早速転校生を見る事に。
 相変わらず小林聡美の和夫は「男前」である。その態度や仕草、そして行動。どれをとっても、男子高校生として実に見事な男っぷり。
 尾美としのりの「和美」は、小林聡美の「和美」と比べて「ステレオタイプなヒステリー少女」のように思える。本物の和美はおそらく、ああいう振る舞いをしない。それは和美の魂が和美の身体にある時点での行動を見ていれば、良く分かる。小林聡美の和夫が男っぷりの良さを見せているだけに、こっちの演出は惜しい気がする。

 樹木希林のお母さんがいい。きっちりと亭主を立ててる。そして息子は甘やかさない。平気で蹴りを入れたりする。その芝居が大仰でなく、ひょっとしたらアドリブ? と思わせるようなさりげなさが良い。
 前は余り樹木希林の事は意識してなかったのに今回それが気になったのは、自分が作品内での父さんの立場になったからだろうか。

 最後、泣きながらトラックを追いかけていた和美が、やがて振り返ってスキップで戻っていくところ、いまだにその演出意図が判らない。今後自分はますますオッサン化からジジイ化が進む事を考えると、もうこの謎はずっと判らないかもしれない。

 さて、転校生を見終わったとなれば次は当然「さびしんぼう」なのだが、実は我が家にはさびしんぼうがない。前に録画した事はあるのだが、一度それを見たとき「もう二度と見ないだろうな」と思って消してしまったのである。
 あぁ、なんて浅はかな行動を……。

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2006.10.14

原田知世版「時をかける少女」

 先日アニメ版の時かけを見て以来、何故か心の中でずっと原田知世の「時をかける少女」が流れ続けている。アニメで流れてた曲は全然違うわけだから、何でそんなことになったのか全然判らない。
 ま、気になっちゃったものは仕方がないので見るっきゃないでしょう、という事でスカパーの放送を録画しておいたものを引っ張り出して見る事にした。
 実を言うと、通しで見るのは劇場公開時以来だから今回が二回目となる。録画したは良いが、全然見てなかったのである。

 いまさらネタバレもないだろうから、サクサクと。

 導入部のモノクロ画面を目にすると、あぁ大林作品を見てるんだなあという気分になる。
 そして劇場で見た時は気づかなかったが、スキー場で深町と和子が出会った瞬間に洗脳(?)が実行され、ケン・ソゴルはみんなのクラスメイト・深町として現代に入り込んでいく。
 その後、電車に乗り損ねるかもしれなかった云々というやりとりから、時間だけではなく場所も移動できる能力がある事が、そっと提示されている。

 見ていて意味不明だったのが、弓道部の練習で矢が的に的中する瞬間を見てしまうところ。矢を放つ前にそれが見えるのは、タイムリープ能力ではなくて予知能力なのではないだろうか。
 その直後、矢を放たずに練習を終えてしまうわけだから、このシーンが「ほんの数秒のタイムリープ」を表しているとも思えない。

 話が進んで深町君が正体を明かした時、和子は「深町との思い出だと思っていたものは実は、ゴローちゃんとの思い出だった」という事に気づく。
 にも関わらず、どうして和子はゴローちゃんではなく深町君にベタ惚れなんだ? 深町君との間にある本当の思い出って、崖から突き落とされたことと顔に墨を塗られたことぐらいではないか。
 おじさんには、さっぱり判らないよ。

 ラスト、デートのお誘い電話をかけてるらしい事から察するに、ゴローちゃんは和子一筋な青春を送っているらしい。
 怒れゴローちゃん、君は思い出と、本来だったら恋人になっていたかも知れない女性を乗っ取られたんだぞ。

 で、最後の歌。何しろ、これが脳裏に流れっぱなしになったから見たわけで、これをきっちり見ておかないと。
 劇場で見た時はこのエンディングに「勘弁してくれ」と思った。それが理由で今までも、再見の機会があっても見なかったのだった。
 ところが今回、見ていて特に抵抗を感じなかった。これは、さらに後で公開された「さびしんぼう」よりマシだからなのか、歳をとってこういった事に対して許容範囲が広がったからなのか。
 まあ悪くないじゃん、というのが今回の感想だった。

 そして意外な落とし穴。
 これは尾道三部作のど真ん中なわけで、これを見たら猛烈に他の二本も見たくなってしまったのだった。

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2006.03.23

12人の優しい日本人

 今回この映画の事をネットで調べて始めて知ったのが、脚本が三谷幸喜だという事。言われて見れば確かに、お芝居みたいに一ヶ所で話が展開している。
 始めのうちは「さっさと終わらせて早く帰ろう」と思っていた人たちが、次第に本気になって相手を論破しようと必死になるあたり、いかにも三谷脚本という感じがする。

 それにしてもこの映画が出来たとき、あるいは脚本が書かれたとき、日本が将来これと似たような制度を始めるようになるなんて誰が想像していただろうか。過去に短期間だが陪審員制度を採用していた、という話を聞いた気もするが、ちょっとあやふや。

 この映画の通りの展開になったりすると、自営業や寅さんのタコ社長みたいな人たちはたまらんだろうな~と思う。会社員だって、小さな会社では下手すると有給使えって言われかねないし。

 ところでこの映画、早送りで一定間隔で音声が欠落した状態で見ていると、台詞が香港映画みたいで別の面白さがある。

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2005.07.22

宇宙戦争

 昨日、いつもの映画館で宇宙戦争を見た。原作を読んだのは小学生の頃で、学校の図書室で借りたのを覚えている。それ以来再読することもなく、昔の映画を見たこともない。
 私にとっては、実に30年ぶりの宇宙戦争なのである。

 正直言ってこの映画には、そんなに期待をしていなかった。ほぼ原作通りということなのでラストがどうなるのかは見当がついていたし、映像に関してはCGの力でどんなものでも作り出せるご時世だから新たなサプライズもないだろうし。
 本当はほかの映画を見ようと思っていたのだが、時間的な問題があってこちらに切り替えたのだった。

 以下、ネタバレを含むので未見の方はご注意を。

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2005.03.08

八岐之大蛇の逆襲

 昨日はローレライを見てすっかり興奮してしまったため、帰って一風呂浴びた後、先日録画しておいた「八岐之大蛇の逆襲」を見始めてしまった。これは樋口監督特集として、スカパーの日本映画専門チャンネルで放映されたもの。
 この作品は、就職した年に川崎のレンタルビデオ屋で発見したのを見て以来だから、もう十五年以上前か。作成されたのは1985年で、冒頭レポーター役で登場する庵野秀明が痩せてて髭もなくてお肌ツルツルなのが印象的である。
 「怪傑のうてんき」こと武田康廣氏も、若くてプリプリしている。

 この作品の特技監督を務めたのが樋口真嗣で、劇中で八岐之大蛇の立体映像がグルグルと回るあたりに、今の樋口テイストに通じるものを感じる。

 この作品を見ていると、何となくSF大会のオープニングフィルムを見ているような気分になり、気持ちはすっかり夏になってしまう。この手の作品を見るのがいつも夏だから、身体にそういった条件反射が刷り込まれてしまっているのかもしれない。
 エヴァンゲリオンで舞台設定が常夏だったのも、ひょっとしてあの頃を懐かしんでいたからなのだろうか。SF者にとって夏とは、特別な季節なのである。

 で、商業映画を見た後でこういった自主制作映画っぽいものを見ると、しみじみと「本物の役者というのは、滑舌(かつぜつ)が良いのだな」と実感するのであった。

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2005.03.07

【ネタバレ】ローレライ

 例によってユナイテッドシネマとしまえんで、仕事帰りにローレライを観賞する。本当はレイトショーにすれば1,200円で見れたのだが、色々な意味で我慢しきれず19:15上映の回で見た。
 公開三日目の映画を見るなんて、初めての経験じゃないだろうか。それもこれも、家の近くにあっていつもガラ空きなユナイテッドシネマとしまえん様のおかげである。

 この映画、最新の特撮エースやガンダムエースで熱く語られていることもあって、早いところ見たかったのだ。
 そして自分の目で確かめて、熱く語られるのも当然だという結論に達した。

 役所が吼え、柳葉が唸り、堤が飛び散り、香椎がずぶ濡れる。妻夫木が叫び、石黒がほくそえみ、伊武雅刀が目を見開き、鶴見が歯を食いしばる。

 熱いオヤジ! 戦う少女! 行け! ファンネル!

 とまぁこんな感じの映画だったのだが(嘘)、これはひょっとすると上映終了までにもう一度ぐらい見に行ってしまうかもしれない。実際、見終わった後レイトショーでもう一度見ようかと思ったぐらいである。

 さて、行数稼ぎはこれぐらいにしよう。ここから先は本当にネタバレするので、これから見るつもりだという人は現地点から速やかに撤退セヨ。

 念のため、もう少し行数稼ぎ。
 今回、ユナイテッドシネマとしまえんの8番スクリーンにある「ウィンブルシート」の料金を払って、背中からズムズムと襲い来る振動も楽しんでしまった。

 8番スクリーンのほぼ全てのシートがウィンブル仕様になっていて、三階のカウンターで200円を払うと専用のメダルをくれる。このメダルをシート左側のスロットに入れると、ウィンブルシステムが有効になるという仕組みである。
 これ、爆発シーンの多いローレライのような映画にはお勧めである。

 あと、もしこの映画を私と同じようにユナイテッドシネマで見る場合、I列より後ろに座ることをお勧めする。私はI列のど真ん中で見たのだが、スクリーンがメガネのフレームいっぱいに広がって、正直ちょっと見づらかった。

 さて、それでは今度こそ本当にネタバレ全開!

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