死刑台のメロディ
ただいま、下あご左側の奥歯を絶賛治療中である。そもそもは先月の中頃に奥から二番目の歯に痛みを覚え、ついにはラーメンを噛んだだけで激痛を感じるようになって歯医者に駆け込んだのだった。
ちなみにこの奥から二番目の歯は神経を抜いてあり、本来なら痛むはずがない。しかし痛みを感じている事実はいかんともしがたい。
この事を自宅近くの歯医者に行って最初から説明するのも面倒なので、かつて勤めていた会社の近くにあるこの歯を治療した歯科医に行くことにした。カルテがあるので細かい説明の手間を省けたのはありがたかった。
あとその歯科医を選んだもう一つの理由は、担当が美人の女医さんだから……。
今日もその歯科医に行って、実は痛みの真犯人である一番奥の歯の神経を抜くという治療に取り掛かった。神経を抜く治療なので、当然麻酔をする事になる。
そしてこの麻酔が、この歯科医のキモなのである。ここで使われている麻酔の注射器は、メロディー機能付きなのだ。
単音の電子音で、「星に願いを」のメロディーを奏でながら近寄る注射器。恐らくは患者の緊張を解きほぐすための配慮から付けられた機能なのだろうが、果たしてその目的は達せられているのであろうか。
どちらかというと妙な条件反射が出来上がり、あのメロディーを聴くと憂鬱な気分になる人を増やしているのではないだろうか。
実際私はもう、テレビ等であのメロディーを聴くと歯医者を思い出すようになってしまった。
きっとディズニーランドに行ってあのメロディーが聞こえてきたら、自分でも気づかぬうちに大きく口を開けてしまうだろう。
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