お前はもう死んでいる
今日は久方ぶりの囲碁教室。新年の初対局だし棋譜をとるクリエも新しくなったし、ぜひとも勝ちを納めて幸先の良い一年にしたいものである。
そんな事を思いながら対局の組み合わせ発表を待っていたところ、本日の対戦相手はNZKさん。級位は5級。私が10級だから、5子局となる。
新年早々から5級も上の人と対局とはついてないと思ったが、いやまて良く考えれば先に五子も置けるのは非常に有利ではないか、と思い直した。こちらとて二桁級とはいえ、一桁級の手前である。手堅く打てば勝ちも夢ではない。
黒石を五つ置き、対戦相手に礼をする。こうして、新春対局は開始された。
しかしさすがに相手は上手である。5級という級位も伊達ではない。最初は圧倒的に優位だったのが、いつのまにか地を囲っているつもりの石が団子にされ、随分と目減りさせられてしまっている。
目算は苦手なのだが(というより、出来ないのだが)、微妙に足りない気がする。どこかに付け入る隙はないものかと、下図の盤面を睨みながらウンウンと唸っていたところで先生が通りかかった。

「ねぇ、ここって、生きてるのかしら?」
先生が指し示す盤面右上に目をやる。こちらとしては△印の付いた白石を取っているつもりだったが、良く見れば×印のついた黒石が全滅しているではないか。

「ここ、欠け目よね」
「そ、そうですね……」
「もしかして、気づいてなかった?」
「いやもう、まるっきり」
こんな大石が死んでいては、とうてい勝ち目はない。今年の新春対局はこうして、投了負けに終わったのだった。
それにしても指摘されるまで死んでる事に気づかないなんて。
これでは今年一年、「囲碁界のハート様」と呼ばれても文句は言えない。
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